関羽と曹操
以前、関羽と曹操の関係について少し述べましたが、『三国志演義』においてこの二人の関係(因縁と言って良いかもしれません)は一つの重要な要素です。
漢末の混乱に乗じて権力を握り、都で横暴の限りをつくす董卓の軍と、それを討伐しようとする曹操、袁紹ら十八諸侯の連合軍が汜水関で激突します。その際、諸侯軍がさんざんに苦しめられた董卓軍の勇将華雄を、一騎打ちで見事討ち取ったのが関羽です。しかし関羽が出陣する前に、袁紹ら諸侯はその身分が低いことで侮り、一騎打ちに行かせることを拒みます。その中で唯一、曹操だけが関羽の堂々たる姿を見て、彼を送り出したのです。
地位や身分にこだわらず、その才のみを重視する曹操の姿勢が見て取れますが、おそらくこの時、曹操は関羽に惚れ込んだのではないでしょうか。
さてその後、曹操と関羽が深く関わるのは以前述べた「関羽千里行」の場面です。
この場面で、関羽は曹操に厚遇されながらも、劉備に対する忠節を忘れぬ義の人としてのイメージが決定づけられます。一方の曹操も、関羽をそのまま劉備のもとに行かせるという度量を示します。
そしてこの時のことが、後に大きな影響を及ぼします。
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